狂犬病と混合ワクチン
今回は『ワクチン』をテーマに記事を書きたいとおもいます。
皆さんは『ズーノーシス(人獣共通感染症)』という言葉を聞いたことがありますか?
『ズーノーシスとは脊椎動物と人間の間で伝播しうる疾病(感染症)』と世界保健機関(WHO)が定義付けしています。
ワクチン接種によって犬はもちろんのこと、私たち人も感染症の危険から命を守ることができます。
狂犬病ワクチン
狂犬病ウイルスはズーノーシスで、すべての哺乳類が感染対象になります。
発症すると効果的な治療法がなく、100%死に至る恐ろしいウイルスです。
1957年以降国内での発生は確認されていませんが、万が一海外から入ってきたときを考え、ワクチン接種が重要になってきます。
義務
・生後91日齢以上の犬にはワクチン接種を1年に1回接種する
・接種後、市町村長に狂犬病予防注射証明書を提出して注射済み票を受け取り、首輪などに付ける
感染経路
狂犬病ウイルスに感染した動物に咬まれたり、傷口や粘膜などに唾液が接触して感染します。
症状
症状は3つの段階に分けられます。
前駆期
狂犬病ウイルスが発症した場合、日常の刺激に対して過敏になったり、人に対しても過剰に怖がるようになったり、逆に親愛を示したりと必ず行動に変化が見られます。
興奮期
周囲の刺激に対して過敏に反応するようになり、人や物などあたりかまわず咬むようになります。
この症状から『狂犬病』という名前がついたとも言われています。
この時期に興奮状態にならず、沈うつのような状態になる子もいます。
麻痺期
狂犬病ウイルスは神経障害を与え、運動失調や全身麻痺、ものが飲み込めなくなったり、涎を垂れ流すなどの症状がでます。呼吸器系の症状や発作を起こし、最終的に死に至ります
症状が現れてから死に至るまで2~7日間ほどと言われています。
混合ワクチン
生後6~8週目に1回目のワクチン接種、生後10~12週目に2回目、3回目は1年に1回のペースで
接種するのが一般的です。
ワクチンの種類と臨床症状
コアワクチン
・致死性が高く、すべての犬に接種すべきワクチン
ノンコアワクチン
・生活環境によって感染リスクを避けるために接種するワクチン
ウイルスや菌によって感染経路は異なりますが、主に唾液感染、吸入、尿・便から感染します。
室内飼いの子は一般的に5種、6種を打つ子が多いですが、住んでいる環境によってその子に必要なワクチンが異なります。
特にレプトスピラ症はネズミなどの尿から感染するズーノーシス(人獣共通感染症)です。
田舎へ帰省したり、キャンプに行ったりする子は7種や8種など多くの感染症予防ができるワクチンをおすすめします。
病院によって置いてあるワクチンも違うので、かかりつけの動物病院に相談してみましょう。
狂犬病、混合ワクチン接種時の注意
- 高齢犬(8歳以上)や現在治療中の子、重度の疾病にかかっている子は獣医師に相談してから接種を行う
- 下痢、嘔吐、咳など体調を崩している子は獣医師に相談してから接種を行う
- 副作用で顔面腫脹(ムーン・フェイス)、掻痒、蕁麻疹、アナフィラキシーショックが起こる可能性があるので接種後はなるべく安静にし犬の様子をしっかり観察する
- 副作用がおきてもすぐ対処できるように午前中の早い時間に接種をしたり、夜間救急の病院を調べておくと良いでしょう
- ワクチン接種後2,3日はは激しい運動やシャンプーは控える
- ワクチン接種後すぐは免疫を得られないため、他の犬との接触はなるべく控えましょう
皆さん、ワクチンの重要性、感染症の恐ろしさは伝わりましたか?
『どーせ室内飼いだし。』『他の犬とは接触しないから大丈夫!』と考えている方、
もしかしたら災害が起きてシェルターや外で生活しなくてはならない日がくるかもしれません…
そんな時でも感染症の危険からわんちゃんと飼い主さんを守るためにもしっかり一年に一回のワクチン接種をおすすめします(^u^)★
ちなみに…
子犬の大事な時期に予防注射のため3回、4回お注射を打たなくてはいけませんが…
動物病院に行くたびに痛い思い、怖い思いをすると、もちろん将来病院が嫌いな子になってしまいます。
私自身も予防接種や血液検査をしに行くとき『針刺されるのか~嫌だな~。』と、どんよりした気分になります(;´・ω・)
可愛いわんちゃんにそんな気持ちにさせないように、飼い主さんに是非やってもらいたいことが2つあります!!
①病院に行く前は少しお腹を減らして、美味しいおやつやいつも食べているフードを持っていく!
②注射はご褒美を食べながら!
獣医さんに『病院が嫌いにならないよう、おやつをあげながらお注射打ってもらいたいです!』と伝えたらきっと獣医さんも喜んでおやつをあげてくれると思いますし、わんちゃんのおいしいおやつが食べれてハッピーに感じてくれると思います♬
大切なワクチンだからこそ楽しい経験にできるといいなと思います(*’ω’*)♡
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[…] ただ、すべてのワクチン接種プログラムが終わるのを待っていると『社会化期』という大事な時期が過ぎてしまい、お散歩中に外の刺激(家族以外の人、他の犬、車など)に対して過剰に反応をしたり、恐怖を感じたりとお散歩が楽しめなくなるのと、様々な問題行動や心の病気に繋がる可能性があります。 […]