フィラリア症ってどんな病気?
今回は『フィラリア症(犬糸状虫症)』についてお話します。
フィラリアとは
フィラリアは蚊を媒介する寄生虫で、中間宿主である“蚊”と終宿主である“犬(イヌ科動物)”の両方が存在しないと成立しません。
フィラリアの幼虫(Ⅼ1)を『ミクロフィラリア』と言い、脱皮をしⅬ1からⅬ5の5つの段階を踏んで成虫になります。
【フィラリアの成長過程】
ミクロフィラリア(Ⅼ1)→犬の体内で生まれる
Ⅼ1~Ⅼ3→蚊の体内で2週間ほどかけて感染力を持つⅬ3に成長、
Ⅼ3→蚊の体内で成長したフィラリアが吸血時に未感染の犬の体内へ侵入
Ⅼ3~Ⅼ4→犬の体内で、50~70日程度で筋肉を貫通し静脈内へ到達
Ⅼ5→90日程度で右心室、肺動脈へ移動
Ⅼ5~成虫→180日程度で10cm以上ある成虫に成長しミクロフィラリア(Ⅼ1)を出産する
どうやって感染するの?
①[フィラリア症に感染した犬]の血を蚊が吸血、ミクロフィラリア(Ⅼ1)が蚊の体内へ入る
②蚊の体内でミクロフィラリアがⅬ3まで成長
③蚊が他の犬(フィラリア症に感染していない犬)の血を吸血するときに、刺入口から犬の体内へ入る
④犬の体内で成長し、肺動脈や心臓に寄生、ミクロフィラリアを出産
この①から④を繰り返し他の犬へと感染をします。
【症状】
フィラリア症に感染すると幼虫が血管内で成長し、成虫になると肺動脈や心臓に寄生し命に関わる症状を引き起こします。
・食欲がない
・元気がない
・お腹が膨らんできた
・咳が出る
・呼吸が苦しそう
・血尿が出る
※フィラリア症はミクロフィラリアが肺動脈に到達して成虫になるまで症状はほとんど現れません。
症状が現れた時には感染後半年以上が立ってしまっているとても恐ろしい病気です。
【予防方法】
フィラリア症から犬を守る為には『予防』することが大切になってきます。
予防時期
フィラリア症は、蚊の発生する時期に合わせて予防する必要があります。
例えば、関東地方だと、、、
蚊の活動期間は4月~11月だと言われているので、
フィラリアの予防期間は5月~12月になります。
『蚊の活動期間が4月なら4月から予防しなくちゃいけないんじゃないの(;´・ω・)?』
と思いますよね、、、💦
実は、、、お薬は『予防薬』と呼ばれていますが、正しくは『駆虫薬』なんです。
フィラリアの予防薬は、ミクロフィラリアの侵入を防ぐわけではなく、犬の体内に入った『ミクロフィラリア』『Ⅼ3』『Ⅼ4』を駆虫する効果があります。
そのため、『Ⅼ5』『成虫』まで成長しフィラリア症になる前に予防するという薬なのです。
沖縄のように暖かい地域だと通年で予防する必要があります。
地域によって蚊の活動時期が違うので予防薬はいつから必要か確認しておきましょう!
薬の種類
予防薬には様々なタイプがあります。
・錠剤
・チュアブル
・スポット
・注射
ちなみに我が家の愛犬ソルテは『クレデリオプラス』という錠剤タイプの予防薬を使用しています。
オールインワン(ノミ・ダニ・消化管内寄生虫にも効果がある)の予防薬で、豚由来のタンパク質が含まれていおり、肉のフレーバーがついているのが特徴です!
使うお薬によって投薬間隔が違ったり、ノミ・ダニやお腹の虫も一緒に予防が出来たり種類が様々なので、
自分のお家のペットちゃんにはどのお薬が合っているのか、かかりつけの動物病院で相談してみましょう。
◎フィラリア症に感染している状態で予防薬を使用した場合、ショック症状を起こし死に至ることがあります。通年でお薬を使用しない場合は、毎年フィラリア症に感染していないか動物病院で検査を行ってから予防しましょう。
◎コリー種は予防薬の“イベルメクチン”に対して神経毒性が起こりやすい犬種です。
予防薬を購入する前に動物病院で相談し、投薬時はしっかり犬の様子を確認するようにしましょう。
まとめ
フィラリア症に感染した場合、手術で心臓内に寄生した成虫を摘出したり、成虫の駆虫薬を投薬したりと治療方法はありますが、犬にとって大きな負担やリスクを伴います。
フィラリア症はきちんと予防を行えば、100%防げる病気です。
大切なペットちゃんをフィラリア症から守る為にしっかり予防を行ってくださいね(*^^*)